君も僕もポーカーフェイス2 (言語と芸術のサロン)

アクセスカウンタ

zoom RSS 損な役回りの男

<<   作成日時 : 2010/04/04 23:01   >>

面白い ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

世の中には、なぜかいつも損な役回りにいる人が存在する。
たとえば飲み会などで、場を盛り上げるために囃したりツッコんだりとかなり頑張るのだが、不思議と人気は得られず、かえって鬱陶しがられたりもして(特に女子に嫌われる)、かと言って、いないと物足りないので呼ばれるが、いつもそのような立ち位置に終始する。
実際のところ誰も気付かないところでかなり気を遣って頑張っているのだが、
なにをやってもいつまでも幸運に恵まれない。
たぶん微妙になにかが間違っているのである。

会社の後輩にそんな男がいたのだが、
そいつが英語ソフト完成の打ち上げに参加したときのことだ。
(用事があって僕は参加していないので、以降は聞いた話である)
僕以外の制作スタッフ全員と、協力してくれた小学校の英語の先生2人が集まり、さんざん飲んで盛り上がって会は終わり、24時。
みなが三々五々帰っていくところで、酔ったALTの外人先生に声をかけられたところから、損な役回りの男の災難が始まった。

この外人先生、普段は人見知りをする物腰の柔らかな英国紳士なのだが、相当酒癖が悪いらしい。
彼のもとへ来て、誰にも聞こえない声でぼそりと囁いた。
「ネェ、キミ。オッパイ行コウ」
「は?」
「オ姉サンガ、オッパイサワラセテクレル店ダヨ。知ラナイノ?」

そんなことを言いそうにもない先生なのでまず驚き、
そしてもうひとつ、「キミ」と呼ばれるのにひっかかった。
なぜなら飲み会中も、
スタッフの中で唯一彼の名前だけ覚えられていなかったらしいのだ。
先生からは「彼」と呼ばれ、そのうち指で指されるだけになった。
そんな相手に「オッパイ」を誘われたのだから心外だ。
ましてや先生は相当酔っている。
そんなところで接待しても何も生まれないだろうし、損をするばかりではないか。

そう思って、なだめていったん普通の居酒屋へ行くも、
事あるごとに「オッパイ行コウ」と言うので仕方ない。
行きたくもないのに、それから彼は先生とふたりで
二件のおっぱいパブをはしごするハメになってしまった。

深夜の新宿歌舞伎町で慣れない店を探していたため、
客引きに従ってしまい、最初に行った店はあろうことか、ぼったくり。
ZIMAが一本3500円もする。
危機を感じて、「飲み物は追加しないでください」と終始念押しするも、
聞いているのかいないのか酔った勢いで頼む頼む。
おまけに先生は自分で行こうと言ったにも関わらず、
気付けば、注文した後の時間のほとんどを寝て過ごしていた。
会計は、チャージ料その他で25000円
酔った先生を抱え、やむなく彼が払う。

もはや終電はとうになくなっている。
そのうえ、翌日も仕事なのだ。
財布苦しく気分も落ち込む彼をよそに、
店を出て少し歩くと、今度は大声で叫び出した。
「FUCKIN ! FUCKIN ダヨ、アノ店!」
あんた寝てたじゃねえか、と言えるはずもなく、
なだめていると、まさかの「次行こう、次」が飛び出し、
帰らせようとすると叫び出すので収拾がつかず、
二件目のおっぱいパブへ向かうことになった。

二件目は、たまたま見つけた中国人の女の子がやる店で、
さっきに比べると安価だったが、それでも15000円ほどかかった。
今度は先生は寝ずに楽しんでいたが、金は払おうとしないので、
そこはさすがに無理やり先へやって払わせた。

時刻は朝の4時。
この意味のない接待はいつまで続くのかと思いながら店を出ると、
先生は見送りに来たキャストの女の子と腕を組んでいた。
学校の先生も人の子。
どうやら店内でその子と交渉した挙句、そのままホテルへ消えるところだったのだ。

しかし、彼にしてみれば不幸中の幸い。
やっと解放されるので、ここを先途と逃げる態勢。
それでも会社にとっては縁の深い先生。今後やりとりすることもあるだろう。
最後に誠意は通しておかないとと考えた真面目な彼は、
女の子とひそひそ会話している先生に向かって、律儀に、
「お疲れさまでした。失礼します。」といったが最後。
先生は酩酊したぼんやりした目で彼の方を眺め、
少しすると、驚いたようにこう言い放ったのだ。
「アレ?オマエ、ナンデココニイルノ?」

長々とさんざん付き合わされた彼の立場はどこへやら。
最後にはその存在すら否定されたのだった。


結局、彼が払った25000円は、経費で落ちるわけもない。
ならば試しに上司に言ってみればいいものの、気を遣わせたくないので言わなかったらしい。
偉いのか馬鹿なのか、損な役回りへと自分で自分を持って行っているのではないかという気もするが、とにかく僕は笑わせてもらったので、寿司を奢ってあげた。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
面白い
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
損な役回りの男 君も僕もポーカーフェイス2 (言語と芸術のサロン)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる