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zoom RSS 金銭廃棄ゲーム

<<   作成日時 : 2009/09/08 02:27   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

日常に疲れ、どうしようもなく気が滅入ったときなどに、
気晴らしになるお勧めのゲームがある。
それが金銭廃棄ゲームである。

ルールは簡単。
手始めに、まずは百円から始めてみよう。
財布から百円を取り出して、捨てる。ただそれだけである。
ただそれだけだが、最初はなかなか難しい。
百円あれば、なにか買える。そう考えるとなかなか捨てられない。
その思いを断ち切ることに、このゲームの意味がある。
川で水切りに使ってもいい。木のてっぺんをめがけて放り投げてもいい。歩道橋から投げ捨ててもいい。後で取りに行くなどという野暮な考えが浮かばないよう、なるべく思い切った捨て方が望ましい。
この快感は、やってみないとわからないので、是非一度やってもらいたい。
日常意識しないまでも、がんじがらめに縛られている金銭の価値を無にし、単なる金属片として扱ってやることで、
心のタガが外れ、驚くほどの開放感を味わうことができるのである。
これほど他人に害を与えない遊びもなかなかない。

百円が成功したら、次は金額を上げてみよう。
さらなる効果が期待できる。
僕はこの間、千円を捨てることに挑戦した。
と言っても、千円札をそのまま投げ捨てては楽しくない。
千円をまず百円に両替し、一枚ずつ捨てていく。
すると、一枚一枚捨てていくにつれて、次第に単純に投げ捨てるのに飽きてきて、次なる楽しい捨て方を考えるようになってくる。
これが金額を上げることの何よりのメリットである。

もちろん、もともと捨てるのが目的であるから、
商品を購入するなど、形を変えて自分に返って来るものには絶対に使わず、
手元には何も残らないようにしないといけない。
また、募金や寄付、賽銭では、いつどこに届くかもわからないので即効性がなく、
おまけに、なにかいいことをしたような気持ちが残るので良くない。
ポイントは、あくまで「無駄に」使うことであって、慈善活動をやるのではないのである。
やってみると、これがかなり難しい。

僕の場合、最初の1枚は、誰もいない路上に水切りの要領で投げ捨てた。
夜だったから、すぐにどこへ行ったのかわからなくなる。
それだけでも幾分気持ちがすっきりしたが、
そのまま10枚続けるのには抵抗があった。
捨てることの新鮮さがなくなり、
単なる作業になってしまう気がしたからである。

2枚目は、ジュースの自販機に入れて、そのまま退散した。
誰が使うのかしばらく見届けたが、あいにく誰も来なかった。

3枚目は、ちょうど歩いているところにいたホームレスにあげた。
と言っても、直接あげてしまっては、
金持ちの道楽が嘲笑混じりに気まぐれの偽善を行なうようで気が引けるし、
なによりもっとせびられそうで恐ろしい。
よって、手の中に持ち、たまたま落としたふりをして目の前に落として去った。
しかし、これはよくなかった。
どれだけたまたまを装おうが、道楽に変わりはない。
やってから、ひどく後悔した。

完全に自分のためにならない金の使い方というのは、かなり難しい。
そして、誰かのために使うのも、簡単ではない。
考えてやらなければいやらしいだけであるし、
友達を呼んで奢るなどというのはもちろん無駄に使ったことにならない。

そこで、残りの7枚は、誰かのために使うのをやめ、
普段全く行かないゲームセンターで使うことにした。

金を捨てる以外の楽しみが返ってくるという点で、若干ルール違反にも思えるが、僕にとっては無駄なのである。

しかし、これがなかなか楽しかった。
捨てるつもりだから、なにをやってもいい。
万が一はまってしまったところで、やり過ぎることもない。

せっかくやるなら、なにかテーマを作ろうと思い、
その店にあるガンシューティングゲーム(銃を持って敵を撃ち殺していくゲーム)を片っ端からやっていくことにした。
700円あればそこにある全てのゲームをすることができる。
やった結果、どれもこれも大差がなくすぐに飽きたが、
その中でもゾンビ物の『サイレントヒル』が一番長くやり続けられることを発見した。

このゲームが他と違っておもしろいのは、物語の内容ではない。
違うのは、自分の持っている銃口の先が画面上に出てこないというただそれだけのことである。
ガンシューティングをやったことがある人には分かると思うが、
たいていのこの手のゲームは、画面にポインターのようなものが表示され、自分の銃口がどこに向いているかを知らせてくれるようになっている。また、ひどい場合には、ボス敵の身体の弱点が的で示されていたりする。「ここを打てば、私やられます」という自己アピールである。そうなるともうプレイヤーは、ポインターと的の位置を合わせて引き金を引くだけの機械人形のようなものであり、緊張感もへったくれもない。ゲームの奴隷になるだけである。
しかし、『サイレントヒル』にはそれがなく、弾がどこへ飛んでいくのか、敵のどこを狙えばいいのかが一切分からない。
そのリアルな状況が、このゲームに独特の緊迫感をもたらしているのだった。

とどのつまり、新鮮さを保つためには、どう転ぶかわからない不確定な要素をどこかに残しておかなければならない。それは恋愛も含め、確固たる真理である(あれ、深そうな話みたいになっちゃったなあ)。

話が逸れたが、ともかく、単なる作業になってしまわないように、
千円を捨てる行為の鮮度を保ちながら事を運ぶこのゲーム。
そもそも気を晴らしたいときに必要なのは、少し常識を逸脱することであって、
その意味で、かなりお手軽にその快感を味わえるのである。
気が滅入り自暴自棄になって取り返しのつかないことになる前に、
騙されたと思って一度やってみることをお勧めしたい。

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